イントロ

私がペットシッターを目指したバックグラウンド

1952年 スモーク

私が生まれたのは福岡県久留米市。我家には、すでに1頭の犬が先住していました。雑種のオスで名は「スモーク」。煙のように、いつもボーっとしていたから。年齢不詳。父が犬好きで、どこからか引き取ってきたのでしょう。ちなみに父は戌年生まれ。スモークの世話から、私と犬とのつき合いが始まりました。その後のスモークの消息は、幼心に定かではありません。

その後、福岡市内に転居。ここでもまた、犬との出会いがありました。父が飼い始めたのは、サモエド(♂)の「チビ」。真っ白い毛は長くフサフサとして、見るからに聡明な犬でした。チビの老死後を継いだのが、スピッツ(♂)の「マル」。小型ながら、体はまるまるとしていました。

1962年 マル、1955年 チビ

1982年 タケオ、1982年 ジャンボ

しばらく犬とのつき合いはブランクがあったものの、私が社会人となり、勤務地の大阪から福岡に帰郷した折、迎えてくれたのは2頭のミックス犬でした。柴犬のミックス「タケオ」とテリア系のミックス「ジャンボ」。父が、どこからか受け取ってきたり、拾ってきたり。2頭とは、父との、そして私との運命的な出会いだったように思います。タケオは神経質、片やジャンボは大雑把。それぞれに個性の強いオスでした。幸いにも、2頭ともその命を全うし、この世を去りました。ジャンボは近くの竹やぶに身を隠すように横たわっており、タケオは犬小屋で冷たくなっていました。

あれから20年、良き伴侶と娘に恵まれた私のそばに、やはり1頭の犬がいます。田川のブリーダーを拝み倒して譲り受けたミニチュアシュナウザー(♂)の「パバロッティ」。
6種6様の犬たちと過ごした60年の人生。私のそばには、いつもかけがえのない犬たちがいてくれました。

2009年 パバロッティ

そして3・11…

突如、東日本を襲った大震災。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族には心からお悔やみ申し上げます。また、被災され、なお避難生活を余儀なくされているみなさまに心からお見舞い申し上げます。
地震、津波、原発、とつぎつぎに起こった天災と人災。その地で人々と共に暮らしてきた動物たち。野生動物、家畜、そしてペットたち。その受難が報道されるにつけ、言葉にならない心痛の思いです。被災地へのボランティア活動と共に、被災した動物たちの救出プロジェクトも立ち上がり、クローズアップされました。災害時の動物に対する地域活動、行政活動に課題は残しましたが、今回の震災における人と動物との共生に光がさしてきたように思います。

シッティングに携わる者として…

私はこの震災には因縁めいたものを感じます。犬との長年にわたる関わり合い、そして、ペット受難を引き起こした震災。このような背景から、ペットシッターとしての今の自分があるように思います。人と動物の共生、よりよい関係づくりを念頭に、信頼あるペットシッターを目指しています。


日本でのペット事情、欧米との比較

ペットは家族の一員

核家族化や少子高齢社会また男女共同参画社会への進展により、ライフスタイルにさまざまな変化が起きています。当然、ペットをとりまく環境にも影響が出ています。
昔の犬は、たいていは外で番犬として飼われていました。首輪はしているものの、飼い主の元を離れ1頭きりで散歩する犬も見受けられました。また、猫は、昔は放し飼いが多く、野良猫化していくケースも多かったようです。
近年ではどうでしょう。犬も猫も、そのほとんどが室内飼いになってきました。それはそれで良いのですが、また弊害も出てきているのは否めません。内閣府の調べでは、約30%の人が「犬が嫌い」という調査結果が出ています。鳴き声や臭気、糞尿などが原因です。これは、犬の「社会化」、つまり人と一緒に暮らしていくためのトレーニング、人間社会でのペットとしての立ち振る舞い、言い換えるならばペットと飼い主のマナーとモラルに問題があります。
最近、日本でもペットと一緒に入れるカフェやレストラン、一緒に泊まれるペンションやホテル、といったものが数多く紹介されています。欧米では、飼い主が犬を同行してレストランに入り、飼い主が食事をしている間、犬はテーブルの下で伏せの姿勢で静かに待っている。このような風景は、ペット先進国の欧米では以前からごく普通に見かけました。それは、飼い主が犬の「社会化」を図り、犬との「共生」を意識しているからに他なりません。
このような観点から、日本では飼い主としての意識が浅いように思われます。
「動物を飼うこと」は、飼い主の自由や権利であると共に、飼い主には周辺への配慮としての義務と責任があります。
一方では、動物愛護の問題があります。「転居先でペットが飼えなくなった」「繁殖しすぎて飼えなくなった」などの理由で、飼養を放棄する飼い主がいます。「動物の愛護及び管理に関する法律」(昭和48年制定、最近では平成17年一部改正)に照らし合わせると、この行為は犯罪にあたります。ペットを飼い始めたら、最後まで面倒を見る、という覚悟が必要です。
ペットショップでの販売方法にも問題が投げかけられています。犬の場合、生後7週齢までは、親兄弟と一緒に暮らすのが理想です。母体からの免疫を受け、親から愛情を注がれ、兄弟とのコミュニケーション力を身に着ける大切な期間だからです。欧米では、離乳前の幼齢犬はペットショップのウィンドウには並びません。また、経済原理が先行して、近親交配がまかり通り、「種」の劣化も懸念されています。せっかく購入したペットの幼い命を失われることもあり、売り手と買い手のトラブルにもなっています。
感情だけが先走りして、ペットの体を必要以上に触れること。ペットによっては、ストレスさえ感じる場合があります。愛情と虐待は紙一重と言っても過言ではありません。ペットは流行のアクセサリーではなく、家族の一員として、喜びや潤いを共に分かち合えるパートナーなのです。
動物に対する正しい理解が、今ほど求められている時代はないといえるでしょう。

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